2025/09/05~11のお題
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今回のお題は uiharu_saten さんが決めました。
秋の夜、庭先の七輪で秋刀魚を焼いた。脂が弾ける音と香ばしい匂いが、夜風に乗って流れる。空には澄んだ月。彼女は湯気越しにそれを見つめ言った。
— 早見 羽流@創作用アカウント (@uiharu_saten) September 5, 2025
「月が綺麗ですね」
胸が熱くなるのに言葉は喉でつかえ、僕は骨を外すふりで誤魔化した。秋刀魚の銀の皮が月光に似て、想いも煙のように揺れて消えた。
夜空を見上げて呟くと、先輩が悪戯っぽい笑みを浮かべた。
— 山口 実徳『列車食堂』文芸社 (@minori_ymgchi) September 5, 2025
「何それ、私に告白したつもり?」
僕の顔から火が噴いた。率直に思ったことが、口をついて出ただけなのに。
すると先輩も夜空を見上げて、つまらなそうに口を尖らせた。
僕は、先輩の歩みを止めた。
「そうです! 先輩、月が綺麗ですね!」
#みんなで140字小説
— わさびづけ物部 (@JuszjeJHM013738) September 5, 2025
俺が新しい土地で釣りをしていると。
「よう新人。秋刀魚対策はしてきたか?」
「サンマ……対策?」
「そう、対策。秋の奴は刀……来たぞ!」
海が一瞬光ると、岸壁が深く斬れた。
「あっぶ……!」
「ここの秋刀魚は刀を帯びているんだ」
俺は翌日から釣場を川に替えた。
今年初めての秋刀魚を焼く。じゅうじゅうと香ばしい音をたたて、秋刀魚に焦げ目が付いていく。ああ、待ちきれない。後は大根をおろして、酢橘も用意しよう。「今夜はご馳走だよ!」「……うん。良い匂いしてたから、知ってる。……所で『月が綺麗ですね』」そんな事言っても秋刀魚は増えないよ、もう!
— 水野酒魚。/みずのさかな(血迷い人) (@t_sakena) September 5, 2025
#みんなで140字小説
— わさびづけ物部 (@JuszjeJHM013738) September 5, 2025
今日、俺は月の下、ハナちゃんに告白する。
あの言葉を使う。
「ハナ、月が」
「ヒャー雨だ、ジロ君も拭いて、はいタオル」
「ドモ。ところで月」
「声もかすれてる、はいポカレ」
「ング。ところで月が綺麗」
「ジロ君も綺麗だから付き合おうね、さて私の家で雨宿りしよ?」
「月が綺麗ですね」なんて洒落た言葉を言わないあなたが好き。秋刀魚の身を丁寧にほぐす仕草、黙って電車の席を譲る優しさ、困ったら絶対に助けてくれるところ、ぜんぶ見ているよ。だから少しは私を気にして、ドキドキしなさいよ!文句を言えばあなたは無言のまま小さく笑う。ずるい。惚れた弱みだ。
— 星#140字小説 (@hosi_hitotubu) September 5, 2025
今年は秋刀魚が超豊漁だった。海面を埋め尽くす秋刀魚の群に、世界の食糧事情は解決。それでも余るから秋刀魚からバイオ燃料、秋刀魚プラスチックを作ってもなお余った。地球全土から、ほのかに秋刀魚の匂いがする。
— はまさん #140字小説を書いてます (@hamathunder) September 5, 2025
僕らは愚痴った。
「それにしても三食、秋刀魚は食い飽きたな」
「サンマざんまい」
ボクはキミといると安心する。
— 小森彩華@140字小説書き (@ja6O4Je8mL25687) September 5, 2025
でもキミはどうだろうか?ボクと一緒の気持ちでいてくれているだろうか?
ボクはこわい、この気持ちを伝え、今の関係が壊れることが。
でも、ボクはこの関係から一歩を踏み出したい。
ボクは夜の公園にキミを呼び出す、伝わって、この気持ち。
今日も月が綺麗だよね。
艦長…月が綺麗ですね…
— 榎本硬一🍎🍹 (@b21wsxoY8cNLKZc) September 5, 2025
うん?いつも月は綺麗だよ…エマ程じゃないけどね…しかもこの作戦が終わったら…エマはきっと、月を綺麗と思うより先に怖いと思うだろうね…何しろ、これから月のギリギリまで降下してスイングバイで加速しながら、山々を総て躱して裏側の敵艦を攻撃するんだからな…
行くか。
#みんなで140字小説
— さる☆たま@ばうくえ&転ロス&エルかち連載中 (@sarutama2003) September 5, 2025
「アキ……カタナ、ウオ?」
「さんまって読むんですよ。まさに今が旬って感じの名前ですよねー」
「ほわい? なぜカタナ?」
「見た目かな? ほら、昔の武士の刀みたいでしょ?」
「おー、ブシ! オータム・サムライソードフィッシュね!」
「さ・ん・ま……だよ」
さる
僕は気障な文学青年だったから、プロポーズの言葉も気取って漱石から引用したものだ。
— はまさん #140字小説を書いてます (@hamathunder) September 5, 2025
あれから数十年、妻は憔悴してもう体を起こすこともできず、物も見えなくなった。僕は病室のカーテンを開ける。曇った真っ暗な夜空に
「月が綺麗だよ」
と教えたら妻は
「また気取っちゃって」
と微かに笑った。
#みんなで140字小説
— 豊名まど(TonaMado) (@darumathunder) September 5, 2025
「月が綺麗ですね」
パネルを開いてメールを送った。
第二の地球になった月は、とても青く涼しげで美しい。
本当にいつ見てもほれぼれとする。
昔はこんな青い星ではなかったと、過去の映像で知った。
金色に輝く月も、肉眼で見てみたかったと、最後に添えておく。
「月が綺麗ですね」
— sitoe✨140字小説 (@sitoe140) September 5, 2025
ふと君の声が聞こえた気がした。
君はそうよく言っていたな。
俺は 意味もわからずただぶっきらぼうに、
「ああ、そうだな」
とだけ返した。
君はいつもニコニコ笑っていた。
その言葉の意味を知ったのは君が亡くなってから。
仏壇に月明かりが差し込む。#みんなで140字小説
「I love youは<月が綺麗ですね>って教わったけど断る時はどう言えばいいんだ?」
— 一ノ本奈生 (@ichinomotonao) September 6, 2025
『逆の意味だから<太陽が翳りました>とかでいいんじゃね?』
あの世にて…
「下界であんなことを気にしてるけど、夏目先生どうなの?」
『…逆の意味だから<スッポンがゴリマッチョです>で!』
「逆って、そういう感じ…?」
#みんなで140字小説
— チュウビー (@TueBee_TuePea) September 6, 2025
秋刀魚の煙り揺れ 夜風に沁みてくる
君の横顔だけを 見つめて過ごす宵
月が綺麗ですね 言葉にできぬ想い
胸の鼓動だけが 静かに響いてる
秋刀魚の香りして 笑顔がこぼれだす
箸の先で未来 少し重なり合う
月が綺麗ですね 伝えたい想いだけ
夜に溶けていくよ 二人の影長く
#みんなで140字小説
— 玄之 狐 (@hazimeno_kon) September 6, 2025
縁側からぴょんと飛び降り、秋刀魚をちょいっとつつく。
あの丸い月、届きそうで届かないおもちゃみたい。
夜はまだ遊び足りないにゃ
ふふふ、こっそりもっといたずらしてみようっと。
楽しそうだったので便乗してしまいました(`・ω・´)
「月が綺麗ですね」言葉が自然とあふれた。そんなつもりはなかったけど、愛の告白みたいで恥ずかしいな。おちょこに注いだ日本酒を少しだけ飲む。ほおが赤らむのが自分でもわかった。これはお酒のせい?恥ずかしさのせい?言葉がまた口をついて出る。「独り言の癖を治したいですね」独り空を見上げる。
— 140字小説 作:げゐむすきお (@gamesukio_140) September 6, 2025
天の川で昼寝をしていたらサンマ雲の大軍がやってきた。網で捕まえ、星の子たちにお腹いっぱい食べさせてあげた。
— sitoe✨140字小説 (@sitoe140) September 6, 2025
今年はまだまだ暑いけれどサンマ雲の美味しい季節だ。いつか地上に降りて本物の海のサンマを食べさせてあげたい。
次はいわし雲の大群がやってくるかもしれないな。#みんなで140字小説
「昔の言い回しを翻訳するよ、なんでもお題出して?」
— あびり㌨@受験生【ABATBeliever】 (@abatbeliever) September 6, 2025
「怪しい光る竹」「不思議な光る竹」
「かわいい子供」「可哀そうな子供」
「すさまじい雪だった」「大した量じゃない雪だった」
「月が綺麗ですね」「…あなたと一緒にいればいつもの月すら変わって見える」#みんなで140字小説
#みんなで140字小説
— 真読の創作 (@setusame) September 6, 2025
「月が綺麗ですね」貴方の気安さが憎い。それより貴方の横顔を美しく思うけど。月に叢雲花に風。貴方が綺麗な月ならば、私は風になりましょう。叢雲など吹き飛ばしてみせますと、告れるはずも無く胸で誓います。「星も綺麗ですね」と貴方をからかいながら。
野球と政治の話はするなが父の教えだった。喧嘩のたねだからだ。「野球の試合どうだった?」浮かれていたのだろう。球団名こそ言わなかったが観戦のことを話していたらしい。「月が綺麗ですね」「満塁ホームランってこと⁉︎」
— 梅酒#140字小説 (@Iwjpt56kC) September 6, 2025
虎党だ「明日も月が綺麗だといいな」明日は弾ける笑顔の君と一緒に観たい
「鏡よ鏡、世界で一番美しいのは誰?」鏡は困る。白雪姫と答えたら女王様を傷つける。女王様も美しい。夜空のような黒髪、星の如く輝く二つの瞳。「ほら早く」怒りで頬が紅潮する。「早くしないと割るわよ。世界で一番美しいのは?」鏡は咄嗟に言う。「世界で一番美しいのは女王様と一緒に見る月です」
— 140字小説 作:げゐむすきお (@gamesukio_140) September 7, 2025
私には月が見えません
— ノノカツ♌️🎪🔥 (@NEXT_ZERO_ZERO) September 7, 2025
すごく和やかな話題を話していたつもりだったのだが、突然月の話を振ってきた
意味がわからずそのままスッと答えてしまっていた
なんの気無しに返したその言葉は彼は酷く落胆している雰囲気だ
唐突にそういえば皆既日食だね、と話題を逸らしている
ある程度察して盲目の月子は…
彼女と秋刀魚を食す。
— 一ノ本奈生 (@ichinomotonao) September 7, 2025
「美味い!骨も食える」
『…骨まで好き』
「一緒だね」
『ううん、秋刀魚じゃなくアナタ。骨の髄まで好き』
「…刺さった」
『骨が?』
「ううん、君の言葉が胸に」
『…残り頂戴』
「残りの秋刀魚?」
『ううん、アナタの残りの人生。私に頂戴』
「…煙が目に」『嬉し泣きでしょ』


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