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今回のお題は @minori_ymgchi さんが決めました。
猫は液体だと言うのに油断してしまった。うちのタマをシャンプーしてると、手が滑った。するりと排水口から流されてしまったのだ。探せど探せど見つからない。だが海沿いでタマの鳴き声が聞こえた。なるほど、液体なら海に流れ着くのは必然。まさにウミネコ。以来僕は波音にタマの声を聞いている。
— はまさん #140字小説を書いてます (@hamathunder) May 22, 2026
遂に始まった新婚生活。妻が僕のスマホに位置情報共有アプリを入れた。
— はまさん #140字小説を書いてます (@hamathunder) May 22, 2026
「早く帰ってきてね」
つまりは猫の首輪に付ける鈴の役目らしい。だが
「今どこ?」
「いつ帰る?」
妻からのメッセージが山ほど入るようになった。
鳴ってるのは僕の鈴じゃない。妻からの着信ばかりだ。どちらが猫なのやら。
鈴を鳴らすのが下手なの。神社の大きな鈴。
— さくま🐾小説書いてます(140字も) (@Sakuma_o3o_) May 23, 2026
一生懸命振ってるのに、カスン……っていうだけ。
あなたは隣で笑ったけどキレイに鳴るように手伝ってくれた。
「魔除けだから、ちゃんと音を出さないと」って。
あの時の音は、本当に魔を払ってたのかな。
今はカスン……っていうだけ。
柏手も響かないの。
「失恋の悲しみを溶かしてくれる液体はアルコールじゃない、ってことはさんざん経験してきた」独りごちて酒を煽り、「失恋に効くのは酒より……」と洗面器にたぷたぷと入ったそれに顔を突っ込む。息が苦しくなるまでずっと吸っているとそれは頭をもたげ、首につけた鈴がチリン。「んにゃー」と鳴いた。
— 140字小説 作:げゐむすきお (@gamesukio_140) May 24, 2026
蛇口をひねると猫が出てきた。
— 山口 実徳・列車食堂/椰子の実ひとつ (@minori_ymgchi) May 25, 2026
ああ、猫って本当に液体なんだ。
せっかく家に来てくれたから、飼うと決めた。
猫に留守番をさせて、ご飯とトイレとトイレ砂、あとは鈴を買う。
家に帰ると、尻尾が排水口へと消えた。
ああ、猫って本当に液体なんだ。
この空虚を埋めるため、僕は猫を探しにいく。
グラスに鈴を入れるとシュワシュワ溶けて消えた。黄金色の液体を光に透かし眺める。微発泡で香りはビール。ごくり……味もビールだ! 暑い中、冷えた鈴ビールを楽しんだ。体調は悪くないが、あれからずっとお腹の中からリンリンリンと音がする。二日酔いならぬ二日鈴で目が覚めた。会社やすもうかな。
— おおらり (@cupofcoffee0818) May 25, 2026
輪郭を破るとほとんど液体だった。いくつもの膜に覆われてその形を保っていただけで、肉体は。かつてものを食べ、うまいと言い、声を出して笑い、泣いて、俺の背中を押した人は、今や万年床の染みだ。お鈴を鳴らし手を合わせる。響いている僅かな間だけ、音の輪郭を頼りに彼が立ち現れるように思った。
— 遠宮にけ🐾nilce (@nilce_Ra) May 27, 2026
「何これ。水?」
— さくま🐾小説書いてます(140字も) (@Sakuma_o3o_) May 28, 2026
「惚れ薬だよ。飲んで」
「何言ってるの?」
「本物だよ。マスターに作ってもらったんだ」
「マスター?……あ、お酒じゃないの! 酔っ払ってるのね」
「惚れ薬だよ。本物の。九分九厘らひいよ」
「そりゃ、マスターの顔があればね」
「君もマスター派かぁ」
「まさか。私は一厘側」


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